東京都が建設リサイクル法に関する一斉パトロールを実施
東京都では区市と共に、建築物解体現場等における建設副産物のリサイクル等を適正に進めるために都内全域で一斉パトロールを行っています。今回のパトロールでは、石綿含有建材(スレート板等の成形板等を含む)の分別状況等についても重点的に確認しました。
引用元:東京都報道発表資料
2017年7月27日
今回のパトロールで、石綿含有建材(スレート板等の成形板等を含む)の分別状況等についても、重点的に確認したことは非常に良かったと思います。
その結果、東京都は、アスベストの飛散防止に関する以下の指導を行いました。
1.建材のアスベストの事前調査を行うこと
2.建材のアスベストの事前調査結果を適切に掲示すること
1については前回の記事でも記載したように、極めて重要です。
2については当然ですが、アスベストの事前調査を行っていなければ、「建材のアスベストの事前調査結果を適切に掲示すること」はできません。

上記の表に記載の通り、今回のパトロールでは「建材のアスベストの事前調査結果の掲示が無い場合」が116件もありました。
今回のパトロール現場数の合計が644件ですから、事前調査結果の掲示が無い場合が何と18%もあったのです。
事前調査結果の掲示が無いので、当然ながらアスベストの事前調査・分析を行っていません。
従って、これらの現場ではアスベストが使われている可能性があるのです。
悪徳アスベスト業者は、役所による立ち合い検査の前に、「検査用の完璧な養生(密閉措置)」をつくります。
そして立ち合い検査を乗り切った後は、手抜き養生のし放題で養生費用を浮かせるのです。
ですから、このような悪徳アスベスト業者を摘発するには、立ち合い検査を抜き打ちで行うしかありません。
その意味で、今回のようなアスベストの飛散防止のためのパトロールは非常に効果的です。
今回は、当該月の対象建設工事届出件数2,612件の約25%に当たる644件に対してパトロールが行われましたが、さらにパトロール件数を増やしていくことが、アスベストの飛散防止のためには最重要と考えます。
そして、工事の届出が出ていない案件についても、抜き打ちの検査を拡大すべきです。
なぜなら、届出が出ていない案件の中に、アスベストが使われているケースがあるからです。
行政としても人員・時間・費用などの点で大変なのはわかりますが、アスベストの飛散防止、適切なアスベスト除去・アスベスト解体工事実施のため、早急に推進していくことを強く望むものです。
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