工法には、①除去工法②封じ込め工法③囲い込み工法の3つ方法があります。次にこれらの工法の内容、メリット、デメリットを表にまとめました。
工 法 | 内 容 | メリット | デメリット |
1.除去工法 | 吹付けアスベスト層を下地から取り除く工法。アスベスト除去工事専用の薬剤を吹付けのアスベストに塗布することで工事中にアスベストが飛散するのを防ぎます。 |
アスベストを完全に除去してしまうので以後のメンテナンスは必要ありません。メンテナンスが不要のため、最終的には工事の費用が抑えられます。 |
多くの場合は復旧工事が必要となるため、封じ込め・囲い込み工事と比べると工事期間が若干長くなります。 |
2.封じ込め工法 | 吹付けアスベスト層をそのままにし、吹付けアスベストの表面に薬液を塗布し塗膜を形成したり、吹付けアスベスト層内に薬液を浸透させ、飛散を防止する工法です。 |
アスベスト除去工事と比べると工事期間が短く、封じ込め工事だけで考えると費用も抑えられます。 | 一定期間ごとの検査・メンテナンスが必要です。建物解体時にはアスベスト除去工事を行わなくてはなりません。つまり囲い込みの費用と除去工事の費用が発生します。 |
3.囲い込み工法 | アスベストの吹きつけ部分はそのまま残し、アスベスト吹き付け層が使用空間に露出しないように、板状の非石綿建材等で覆うことにより粉じんの飛散防止、損傷防止を図る工法です。 |
アスベスト除去工事と比べると工事期間が短く、囲い込み工事だけで考えると費用も抑えられます。 |
一定期間ごとの検査・メンテナンスが必要です。建物解体時にはアスベスト除去工事を行わなくてはなりません。つまり囲い込みの費用と除去工事の費用が発生します。 |
※当サイトとしては「除去工事」をお勧めします。建物はいずれ解体するので、「封じ込め」「囲い込み」の場合は解体時に除去しなければならず、結局費用が余計掛かることになるからです(問題の先送り)。
ただ、建物を30年も40年もそのまま利用する場合は、「封じ込め」も有効です。逆に、10年で解体するのなら「除去」した方が良いでしょう。
なお、 除去と言っても何でも除去できるわけではありません。例えば、受電室の吹付けアスベストは受電方法を変えないと取ることはできない場合もあります。
従って、吹付けアスベストの除去と言っても、建物の現状(使用されている場所、人の出入りの多寡、施工可能性等)を見て、除去が良い所、封じ込めしかできない所などが出てきます。
当サイトでは、的確な現地調査の上、アスベスト対策についての最適なご提案を致します。
除去工事のフローチャートは次のようになります。その中の重要部分を実際の作業写真で説明します。
出典:建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2007((社)日本作業環境測定協会)
1.除去工事費用の目安
除去費用の目安としては、国土交通省発表による次の表をご覧ください。
2008年4月25日 国土交通省発表によるアスベスト除去工事費用の目安
1.アスベスト処理面積300㎡以下の場合 | \20,000~\85,000 |
2.アスベスト処理面積300㎡~1,000㎡の場合 | \15,000~\45,000 |
3.アスベスト処理面積1,000㎡以上の場合 | \10,000~\30,000 |
(仮設、除去、廃棄物処理費等全ての費用を含む)【(社)建築業協会調べによる】
この費用は、2007年1月~12月の1年間における、施工実績データより算出されています。すなわち、この1年間の実際のデータなのです。
そして、備考として次の3点が記載されています。
<備考>
①アスベストの処理費用は状況により大幅な違いがある。(部屋の形状、天井高さ、固定機器の有無など、施工条件により、工事着工前準備作業・仮設などの程度が大きく異なり、処理費に大きな幅が発生する。)
②特にアスベスト処理面積300㎡以下の場合は、処理面積が小さいだけに費用の目安の幅が非常に大きくなっている。
③上記処理費用の目安については、別紙施工実績データから 処理件数上下15%をカットしたものであり、施工条件に よっては、この値の幅を大幅に上回ったり、下回ったりする場合もありうる。
300m2以下の場合、何と20,000円~85,000円もの幅があるのです。これは実際の施工例の金額ですから、それぞれの建物の状況によりアスベスト除去費用は大きく異なることがご理解いただけると思います。
このサイトの「アスベスト調査・分析」の項目で、「事前調査が重要」とお伝えしたのもこの理由からです。
ですから、図面による「概算見積もり」はアスベスト除去においては意味がありません。現地調査による「詳細見積もり」が必要不可欠なのです。
2.当サイトのアスベスト除去費用の目安(レベル1・2の場合)
当サイトのアスベスト除去費用の目安を記載します。
1.アスベスト処理面積300㎡以下の場合 | \9,000~\25,000 |
2.アスベスト処理面積300㎡~1,000㎡の場合 | \7,000~\10,000 |
3.アスベスト処理面積1,000㎡以上の場合 | \6,500~ \9,000 |
※届出業務費用・隔離養生費用・除去費用・測定費用・産業廃棄物処理費用を含みます。
※作業用足場が必要な場合は別途お見積もりとなります。
個々の建物の状況により費用が異なってきますので、あくまでも目安ですが、国交省の費用の目安と比べ、かなり安くなっていると思います。
これには明確な理由があります。この理由については、「アスベストと解体工事の分離発注」の項目をご覧ください。
3.アスベスト除去工事の費用例
実際に施工されたアスベスト除去工事の費用例を記載しましたので、除去費用の目安と合わせ、おおまかな費用の把握にお役立てください。詳細見積もりには現地調査が不可欠となります。
【ケース1】
工事件名 | 解体工事に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 3,000,000円 | |
工事場所 | 東京都渋谷区 | |
施工規模 | 230㎡ | |
内容 | 鉄骨造4階建梁、天井デッキ、4工区に分けて施工 |
【ケース2】
工事件名 | 解体工事に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 4,800,000円 | |
工事場所 | 東京都小平市 | |
施工規模 | 600㎡ | |
内容 | 鉄骨造2階建天井、1工区での施工 |
【ケース3】
工事件名 | 再開発に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 6,500,000円 | |
工事場所 | 東京都中央区 | |
施工規模 | 650㎡ | |
内容 | RC造天井5工区に分けて施工 |
【ケース4】
工事件名 | 改修工事に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 8,400,000円 | |
工事場所 | 東京都北区 | |
施工規模 | 860㎡ | |
内容 | RC造天井6工区に分けて施工 |
【ケース5】
工事件名 | 改修工事に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 10,500,000円 | |
工事場所 | 東京都足立区 | |
施工規模 | 1,170㎡ | |
内容 | 鉄骨造4階建梁、天井デッキ、2工区での施工 |
【ケース6】
工事件名 | 解体工事に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 8,600,000円 | |
工事場所 | 千葉県船橋市 | |
施工規模 | 1,200㎡ | |
内容 | 鉄骨造2階建天井、1工区での施工 |
【ケース7】
工事件名 | 解体工事に伴うアスベスト除去工事 | ![]() |
工事金額 | 13,000,000円 | |
工事場所 | 千葉県八千代市 | |
施工規模 | 1,400㎡ | |
内容 | RC造天井2工区に分けて施工、作業足場設置 |
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