悪徳アスベスト業者のありえない養生例
くい打ちデータ偽装問題における、売り主の三井不動産レジデンシャルと元請の三井住友不動産、その後も東芝・三菱自動車など、大企業による不祥事が頻発しています。
今年の3月、超大手の不動産販売会社より当サイトに電話がありました。
4階建ての鉄骨建物を現地調査して、アスベスト除去費用の見積もりを提出してほしいとのことでした。
早速、当サイト登録のアスベスト専門業者が現地に行ったのですが、その現場は信じがたいほどひどい状況でした。
アスベスト養生(密閉措置)には、プラスチックシート(ポリシート)を用いるのですが、何とこの現場では「ブルーシート」が使われていました。
ブルーシートは密閉性がないため、髪の毛5000分の1の小ささのアスベストを飛散させてしまいます。
それ以外にもありえない措置だらけで、まるで素人が養生措置をしたかのようでした。
不動産販売会社の担当者によると、行政の立ち合い検査で不合格となったようです。
この状態ではOKが出るはずがありません。
更に聞くと、このアスベスト除去工事を290万円(税込)で請け負った業者に70万円を前払いしたが、その業者がどこかに逃げてしまったようです。
この悪徳業者は、あるアスベスト業者仲介サイト経由で紹介されたとのことでした。
この建物は鉄骨4階建てで、延べ床面積は370㎡。
ブルーシートでの違法養生を全て取り外し、養生し直さなければなりません。
当サイトのアスベスト専門業者が、
「概算で600~700万円位のアスベスト除去費用が掛かります」
と伝えると、不動産販売会社の担当者は途方に暮れていたようです。
当サイトでは何度も指摘させていただいているのですが、
「安すぎる業者には絶対に発注しないでください」。
「通常の半値でできます」などという業者は、間違いなく違法業者、悪徳業者です。
今回のケースのように、違法な手抜き工事をしなければ半値では実施できないのです。
この違法業者について調べてみると、昨年9月に設立された新設法人でした。
大手不動産販売会社が、このような業者に通常の半値で工事を発注するとは、最近の大企業による不祥事の一端を垣間見る思いがした次第です。
※この悪徳業者による実際の養生写真などについては、アスベスト解体ネットに記載していますので、そちらも合わせてご覧ください。
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